真実と虚構の狭間で
今回のTikTokは、今年2月に仕事で大阪へ行った時の動画です。大阪城散策を疑似体験できる仕様で動画を編集しました。ぜひ、TikTok動画『大阪城散策とペルソナ』をお楽しみください。
大阪城といえば、豊臣秀吉を思い出します。豊臣秀吉は、農民から天下人になる過程で、多くの場面において異なるペルソナを巧みに使い分けていたのではないでしょうか。
今回は、私たちの日常生活における『ペルソナ』について、考えてみましょう。
ペルソナって、何だろう?
あなたは『ペルソナ』という言葉を、聞いたことがありますか?
ペルソナを心理学的に説明すると、他者との関係の中で、自分をどのように見せるかという外的な自分を指します。日常生活の中で、私たちはペルソナという「仮面」をつけ、状況に応じた自分を演じながら生きています。
例えば、仕事ではプロフェッショナルな姿を見せ、家族と過ごすときにはリラックスした一面を見せ、恋人やパートナーの前では魅力的な自分を見せるといった具合です。
◆ ペルソナを使い分ける人生
ペルソナは、社会的に受け入れられるための手段として機能し、日常生活をスムーズにする手助けとなります。多くの方が、場面ごとに異なる「仮の自分」を使い分けながら、生活しています。
この使い分けが上手な人は、世渡り上手なのかもしれません。ちなみに、ペルソナは、多重人格とは異なる概念です。
しかし、ペルソナはあくまで、そのシーンに合わせて作り上げた仮の姿であり、本当の自分ではありません。これらの役割を使い分けているうちに「自分は、何者なのか?」という疑問や葛藤が生じることがあります。
このような状態が続くと、自己表現の機会を失い、アイデンティティの喪失や心の孤立を引き起こす要因となるのです。
私の失敗エピソード
かつて、私は周りからリーダー的存在と見られ、自己にも他者にも厳しい姿勢で仕事に臨んでいました。この時のペルソナは『クールで、完璧主義なリーダー』といったところでしょうか。
楽観的でお調子者の私とは、大きくかけ離れていました。
◆ 頼ることは、甘えと勘違いしていた私
当時の私は、誰かに頼ることを甘えだと勘違いし、誰にも頼らずに全てを完璧にこなそうと必死でした。プレッシャーで押しつぶされそうになりながら、周りの期待を1人で背負い、結果的に自分を追い詰めることになってしまったのです。
人の心は、自分が思うほど強くはないのです。この状態が続けば、心の崩壊へと繋がっていきます。
◆ ペルソナと本当の私とのギャップ
それでは、私という人間はどんなタイプだったのでしょうか?
本来の私は、マイペースな性格で、他者をサポートする役割を好むタイプです。五感で楽しむ旅やマリンスポーツを通じて、リラックスすることが好きです。
しかし、仕事ではスピードが求められ、常に誰かと競い合い、勝ち続けなければならない環境にいます。心に余裕がなく、いつもイライラしていて、気づけば巧みな戦略や実力ではなく、言葉で相手を打ち負かす論破やマウンティングに頼るようになっていました。
その結果、衝突することが増え、人を傷つけることも多くなりました。相手を笑顔にすることが好きだった私は、いつの間にか相手の笑顔を奪う存在に変わっていたのです。私にとって、本当につらい時期でした。
◆ 私を取り戻す転機
「私が、やらなければならない」というプレッシャーに押しつぶされそうになり、現実とのギャップに、心が疲れ果てていました。自分が自分ではなくなり、パートナーや友人と話していても、まるで異世界にいるような孤独感が募るばかりでした。
心が辛くなると、いつも駄菓子を買って、池袋のサンシャインシティの広場で何時間も空を眺め、「すべてを手放せたら、どんなに楽だろう?」と、自問していました。
そんな中、あるセラピストとの出会いが、私の人生を変える転機となりました。
その方のアドバイスで、自分自身と向き合う一人旅に出たのです。この旅を通じて、大事だった仕事もプライベートもすべて手放すことで、少しずつ本来の自分を取り戻していくことができました。
心が壊れてしまう前に、その出会いがあったことを心から感謝しています。
◆ あなたのペルソナ
これまでは、心理学理論や私の事例を通じて、ペルソナの概念を考えてきました。ここからは、あなたのペルソナについて、考えてみましょう。
あなたも、日常生活で色んなペルソナを使い分けているうちに、心の中で「本当の自分は?」と葛藤や苦悩した経験はありませんか?
仕事で完璧な自分を演じようとするあまり、本当の自分とのギャップに苦しむことはありませんか?
人間関係で「良い人」を演じるあまり、自分の本音を抑え込んでしまうことはありませんか?
ここで大事なのは、あなた自身を見失わないことです。そこで、おすすめなのが自己洞察です。自己洞察を深めることで、自分の本当の価値観や感情を理解し、ペルソナとのバランスをコントロールすることができます。
SNSとペルソナの関係
SNSでは、理想化された自分や魅力的な一面を強調することが多いです。これが、心の歪みや不安感を引き起こすことがあります。
例えば、SNSでの「いいね」やコメントが承認欲求を満たすと同時に、それが自己価値の基準になってしまうこともあります。しかし、SNSに存在するペルソナと現実の自分に乖離が生じると、自己評価に影響を与え、自己否定や不安感を引き起こし、アイデンティティの喪失につながる可能性があります。
重要なのは、SNSに存在するあなたは、あくまでSNSのペルソナ、つまり仮の自分であるということを理解することです。
ペルソナと上手に付き合う方法
私たちの世界には、さまざまな人がいます。ペルソナを使い分けることは、円滑な人間関係を築くために大切です。
しかし、自分のペルソナを理解し、本来の自分を失わないようにすることも重要です。EQカウンセリングを通じて、本心とペルソナのバランスを保ち、自己表現の機会を大切にしましょう。
最後に
豊臣秀吉も成功を収めるために、多くのペルソナを使い分けたと推測されます。しかし、彼の人生の大きな選択に影響を与えたのは、自己洞察の欠如だったかもしれません。
心理学的には、自己認識や自己洞察が、意思決定の質に影響を与えると言われています。自己洞察が不足すると、自分の気持ちやバイアスを正しく理解できず、結果として後悔や失敗を招く選択をする可能性があります。
そのため、自己洞察を通じて、より良い人生を築くための参考にしていただければと思います。
あなたの人生もまた、あなた次第で変わります。もし、今の人生に迷いがあるなら、GrowSparseで新たな道が開けるかもしれません。
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